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2018年12月 4日 (火)

書籍購入その3 米の島

 集英社刊 宮本徳蔵 「米の島」

 一年ほど前、ネットで「慶長遣欧使節」を検索中に、1996年度ミス・スペインのマリア・ホセ・スアレスさんが「慶長遣欧使節」の一人の十数代目の子孫と知った作者が、彼女をモデルとして書いた小説が紹介されている記事を見つけAmazonの「ほしい物リスト」に入れていました。それが「米の島」です。
 ただ、小説の紹介文には

日本人を先祖にもつ美人女子大生マリアが、憧れの日本で、四百年前の若者と一瞬の恋に落ちる。時を超え、海を超えて、スペインと日本を結ぶ不思議な糸。男女の愛を通して描く悠大な歴史幻想小説。

自分の遠い祖先は、日本からやって来たのだと、祖父のフアンから聞かされて育ったマリア。花も盛りの十九歳。ミス・スペインに選ばれたことがきっかけで、日本へ。サムライに会いたい!というのが彼女の夢であった。憧れの国・ニッポンで、マリアは、南欧風美貌の青年・天笠軽之介に出会う。そして、…新境地を拓く歴史幻想小説。

 と書いてあったので、この題材を使うなら冒険小説にすればいいのに、と購入を躊躇していました。その後、ネットで「天の女王」のレビューを発見しまして、ハモンド・イネスをはじめとした冒険小説大好きの私としては、こっちを先に読みたくて「米の島」購入はその後になりました。
 「米の島」は、読んでみると、幻想小説と言うか何と言うか、ヒロインのマリア・ハポン・スアレスが出てくるのは最初と最後だけで、メインはマリアが出会った「南欧風美貌の青年・天笠軽之介」のお話なのですよ。「天笠軽之介」という、いかにも怪しげな名前で分かる通り、彼は400年前の人物です。紹介文にも書かれているので読む前からバレてますが、彼はスペインから来た船乗り兼船大工の「ゴンザレス・エレラ(天竺権三郎)」と日本人「波女」との間に生まれた子供なのです。しかし、その400年前の人物である「天笠軽之介」との出会いと別れが、読んでいてちっとも幻想的ではない。私は冒険小説大好きですが幻想小説も好きです。特に、作者もタイトルも忘れましたが、路地裏の奥に有る潜戸を見つけた主人公が、その向こうで出会った女性に心惹かれ、もう一度逢いたくて潜戸のあった路地裏に行ってみると、そこに潜戸は無く彼はずっと潜戸を探し続けている話が大好きでした、ってコレ小説じゃなくて「笑うセールスマン」だったかな? ま、いいや、とにかく幻想小説は雰囲気が大事なんですよ。マリアが「スペイン村」に着いてからの描写が日常的で、「天笠軽之介」と出会うシチュエーションも日常的過ぎて、そこから幻想の世界に入る事が出来ません。現在の人間ではないとネタバレしているんですから、これはマリアが夢をみているのか、空想しているのかのどちらかだと思ってしまいます。だったら、変に夢オチみたいな幻想小説にせず、マリアが日本で出会ったのは、「カルロス・エレラ(天竺軽之介)」の400年後の子孫で、二人でお互いのルーツを探す、という方がシロートの戯言ですが面白いと思うのですが……って、あ! その設定で舞台をスペインにした冒険活劇が「天の女王」だ! そう言えば出てくるモチーフは似ている。まさか鳴神響一さんがコレをお読みになって「オレならこう書く」って思われたって事はないですよね。
 表題の「米の島」は日本の事かと思っていましたが、違っていました。
 優しい文体なので、アッという間に読み終えます。

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