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2019年7月 1日 (月)

サハリンの灯は消えず、とクレープ

「サハリンの灯は消えず」は、1968年にジェノバというグループが歌ったGSとしては異色の名曲です。最初に聴いた時、エレキギターの如何にもというアーミングは嫌いでしたが、バックで控えめに流れるギターの旋律とサビ前のドラムが格好良くて、そして何と言っても敗戦で故郷(サハリン)と初恋の人を捨てざるを得なかった痛恨の思いを込めた歌詞が、数年後には同じ様に故郷を去る自分の心に痛烈に残っていました。

Youtube
サハリンの灯は消えず

 が、実はこの歌詞をずっと誤解していました。
 この曲を聴いた当時、私はクレープという食べ物がこの世に存在することを知りませんでした。だから、どうして「暮れなずむ浜辺 クレープは 淋しく赤く」「あのひとのくれた クレープは 初恋の味」と聴こえたのか不思議ですが、ずっとそう覚えていました。クレープって何だろうと思いながら。

 で、月日は流れ十数年後。まだ恋人だった頃の奥さん(記憶違いで結婚した後かもしれないけど)に「わたしが大好きなもの、ごちそうしてあげる。美味しいからきっと気に入ってくれると思う」と連れていかれたのは、近所にオープンした今で言うショッピングセンターのクレープ屋さん。

『クレープ! クレープって、ホントに有ったんだ』

 店頭で、竹とんぼのような器具をクルクル回しながらクレープを焼くオネーさんの見事な手つきと一緒に、私の頭の中で「サハリンの灯は消えず」のあの歌詞がグルグルと廻っていました。あのひとのくれたクレープ、あのひとはこうやってクレープを焼いていたのか……。
 そして、彼女から手渡されたクレープは、ハムとレタスを挟んだハムサラダ。彼女のクレープはチョコバナナ。
「チョコバナナもおいしいよ」と言われて一口ずつ交換して食べた初めてのクレープ。

 これが超絶美味しい! そうなんだ! この味が初恋の味なんだ。

 でも、違ったのです。
 更に十数年後、「サハリンの灯は消えず」を久しぶりに聴いてみたくなり、ネット検索の途中で歌詞が書かれたサイトを何気なく開いてしまい、そこで見てしまったのです。あのひとのくれたのはクレープではなくフレップだった事を。
 フレップとはコケモモの事だそうです。

「暮れなずむ浜辺 フレップは 淋しく赤く」
「あのひとのくれた フレップは 初恋の味」

 これが正しい歌詞です。

 でも、私にとってはあれはクレープで、初めて食べたクレープの美味しさは格別で、だから初恋ではないけれど、フレップではなくて「あのひとのくれた クレープは 初恋の味」なのです。

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