書籍・雑誌

2015年2月25日 (水)

月香の森

月香の森

澤見彰 著 PHP研究所 刊

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千疋もの狼が農村に襲来!? と千疋狼伝説に沸く帝都・東京。女学校に通う本多佐与子は、あまり意に添わない縁談の話を、家族から勝手に進められてしまう。沈んだ気持ちを明るくしてくれるのは、地方民俗の調査に出かけている兄からの手紙と、一緒に送られてくる『動物画報』という冊子を読んでいるひと時。兄から久しぶりに届いた手紙と一緒に入っていたのは、スケッチの切れ端のようだった。ふと差し出し場所を確認すると、狼があらわれたという場所と同じ三峯村。兄の身を案じた佐与子は、家を相棒・栗鼠の風太郎とともに抜け出し、兄と交友の深かった『動物画報』の編集長・葉山一美らの助けを借りて三峯村へと向かう。捜索中に滑落した佐与子たちを救ってくれたのは、狼と暮らす人びとだった――。
 「定め」に抗いながらも懸命に生きるものたち、そして「変わりゆくものの哀しさ」「変わらざるものの愛おしさ」を秀でた構想力で描ききった長篇ファンタジー。

PHP 解説より

 ネットでの書評や解説にはファンタジーと書いてありますが、う~んファンタジーではないような……。月香の森(げっこうのもり)というタイトルや千疋狼(せんびきろう)といったネーミングは雰囲気あります。装画もいい雰囲気ですけど、やっぱりチョット違うかな。
 匂いで相手の感情が分かるというヒロインの特技(?)が上手く活かされていないのがもったいない。山の事も少ししか書かれていないのでどんな場所なのか分かりづらい。藤沢周平の「春秋山伏記」の攫われた娘を探しに蓑つくりの山に入っていく場面のように、チョット近寄りがたい所という感じが出ていれば良かったのに。しかし作者さんが書きたかったのは誰も知らない秘密の場所ではなく、そこに住んでいる人たちだから、これは無い物ねだりですね。
 読んでいて気になった所が二三あって、最初に目黒村へ行った日の夜、二人はどこに泊まったのでしょうか? 佐与子は家出しているのだから自宅に帰るはずはないし、翌日いきなり秩父に居るのが不思議です。それに、途中で着替えますが佐与子はワンピースに革靴、葉山は浴衣って、コレで山登りは無謀でしょう。土砂降りの雨で番小屋へ逃げ込んだ後も、濡れた服を着たまま囲炉裏の火で乾かしますが、その程度じゃ絶対に乾きませんって。経験があるので分かるのですか、まず濡れた服を脱いで乾いた服に着替えないと体温が奪われて寒くてたまりません。そのまま布団に入って寝たら風邪ひいちゃいますよ。と、言いつつこの手の話は好きなので、五〜六時間で読んでしまいました。

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2014年12月14日 (日)

地獄島の要塞

 連休三日目。怠惰に過ごしています。

 先日購入したDVDの「脱出」を見終わりました。
 「脱出」の記事は→コチラ
 最初にこの映画を見たのは大昔、それもテレビの日曜洋画劇場(「日曜洋画劇場」放送作品全リスト様のデータによると放映日は1968年12月15日)で見たので、釣り船が出港するシーンとロイ・ジェームスのネスカフェCM以外、ストーリーはすっかり忘れていました。今見るとローレン・バコールが魅力的なのですが当時は子供だったから出演していた事すら覚えてなくて(^_^;)、おそらくは、海や船が大好きだったのでそれ以外のシーンは興味なかったんですね。ハンフリー・ボガートも吹き替えの久米明さんの声が好きだったから見ていた気もします。改めて見直してみると、この映画は、ローレン・バコールが出演していなかったら、面白さは半減していた気がします。彼女が出てこないシーンはツマラナイですから。
 銃撃シーンで床に伏せた時の

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 この台詞にはヤラれました。

 で、内容を忘れていたから新鮮な気持ちで見たかというとチョット違って、途中からアレ? コレって……と、話がこの本の内容と重なってしまいました。

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 何度読んだか覚えていない程の愛読書なのでボロボロになっていますが、この本の主人公と相棒、ヒロインの関係が似ているのです。
 地獄島の要塞の主人公ジャックは四十二歳の元英国海兵隊員で、今はサルベージ船の船長。その相棒モーガンは、昔は優秀な潜水夫、そしてある事情で今は酒浸り。で、ヒロインのサラは十九歳、ファッション雑誌から抜け出してきたような美人でしかも気丈。「脱出」のキャラクター設定と似てますよね。ローレン・バコールもこの映画に出る前はヴォーグ誌のモデルさんでしたから。サラは酒浸りのモーガンに優しい。スリムもハリーの飲んだくれ相棒エディーには優しく接する。
 この本は最初読んだ時に、年齢差が釣合わない気がしてサラが十九歳以上の年齢イメージしか浮かばなくて、己の想像力が貧困なのを嘆きましたが、「脱出」撮影時のボカート四十四歳、バコールは何と十九歳! 何の違和感もありませんから、自分が抱いていたイメージで良かったんですね。
 映画の方はこれからクライマックスか? というところで唐突に終わりますが、いいんです、これはローレン・バコールの映画ですから。

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2013年6月 2日 (日)

ジョン・カーター

 そうです、バローズの「火星のプリンセス」をウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品として、2億5000万ドルという巨費をかけてウォルト・ディズニー・ピクチャーズが製作した、あのジョン・カーターです。
 バローズファンとしては大いに期待していたのですが、予告編を見て愕然とした、あのジョン・カーターです。
 ヒーロー、ヒロインがフラゼッタ調でも武部本一郎調でもボリス調でも構いません、それなりの雰囲気さえ出していてくれたら。

J

 でも、これは違う。ジョン・カーターとデジャー・ソリスではない。二人とももう少しシェイプアップしてよ。デジャー・ソリスはオバサンだし、これじゃあ同じ原作を元にしたアバター・オブ・マーズでデジャ・ソーリスを演ったあのトレイシー・ローズと変わらないじゃん(若い時のトレイシー・ローズだったら良かったけど)と言う事で、映画館で観る気は失せてしまい、DVDになってから見ればいいやと、すっかり忘れていた、あのジョン・カーターです。
 で、たまたま立ち寄った近所のレンタル・ビデオ店で旧作7泊8日100円でレンタルしているのを見かけ、借りてみました。アメリカでは評判が悪くて赤字になったらしいのですが、観てみるとそれほど悪くはなかったです。「火星のプリンセス」として見なければそこそこ面白いヒロイックファンタジーでした。あ、でも「火星のプリンセス」じゃなかったら観る意味がないか。
 ま、ジョン・カーターが地球ではイイ雰囲気出しているのに火星では衣装デザインがイマイチで似合わないとか、ヘリウムとゾダンガの区別がつかないとか、サーク族がみんな同じ顔に見えるとか、アレとかコレとかはありますが、大金をかけたビジュアルは見ても惜しくは無いかな。劇場で見たらガッカリして腹が立ったかもしれないけれど……コレは100円だから。

 続編の、「火星の女神イサス」は製作しないんだろうなー。

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2012年11月20日 (火)

パンナム・クリッパー

 壁紙サイトを閲覧していて面白い壁紙? を見つけました。
 多分、サンフランシスコ上空だと思うのですが、建物が少なくかなり昔の写真のようです。

Pan_american_airways_a_12027

 あれ? この飛行艇、本の表紙で見た記憶があるけどなんだったっけ?
 最初に思いついたのはコレ。

Ia_109

 リチャード・ドイル 著/小菅正夫 訳
  サンリオ社刊
「インペリアル航空109便」

 ずいぶんと昔に読んだので、イスパノ・スイザと言う車がでてくるのと、乗客がワニに襲われるのと、たしか女性クルーが搭乗していたこと位しか覚えていません。
 しかし、飛行艇が違っていますね。パンナム・クリッパーで検索したら、こっちでした。

Clipper_1 Clipper_2

 ケン・フォレット 著/田中融二 訳
 新潮文庫
「飛行艇クリッパーの客」

 これもずいぶんと昔に読んだと思っていたら、平成五年(1993)発行なのでそんなに昔でもないか……と言っても約二十年前ですが。「インペリアル航空109便」の方は昭和五十六年(1981)。大昔です(^_^;)覚えていないのも当然。
 これってケン・フォレットの小説だったのか。チョット読み直してみようとガラクタ置き場と化した押し入れを引っかき回して本を発見。
 うーん、数組のカップルが登場しますが、その中でも貴族令嬢のマーガレットと宝石泥棒のハリーしか覚えてなかったです。この二人、「マッケンナの黄金」みたいなハッピーエンドで良かったです。

「インペリアル航空109便」は探しても見つからないので、多分手放しちゃったんですね。無いと知ったら無性に読みたくなってしまいました。困ったモンです。
 Amazonで検索したら売っていました(もち古本です)どうしようかなー、買おうかな-、でも手放したって事は、面白くなかったのか?

 ちなみに、壁紙の飛行艇は「カリフォルニア・クリッパー」と呼ばれていた機体で、小説の舞台である大西洋航路でなく太平洋航路に就航していた飛行艇だそうです。

 飛行艇がらみでもう一艇壁紙を。これ第二次大戦時に生産された機体らしいですが、好きなんですよねーこのデザイン。

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Consolidated_pby_catalina

by Airliners.net

CGですが綺麗です。

Pan_am

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